はじめに
配送ドライバーとして働く際に、最近注目を集めているのが業務委託契約という働き方です。
「給与が不安定?」「契約書はどうなっているの?」など、業務委託ならではの疑問や不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
30~60代の方で未経験からチャレンジしたい方や、現役ドライバーで給与や人間関係に不満を持っている方もぜひご覧ください。
働く時間や収入を自分でコントロールしたい、あるいは独立してチャレンジしたい方に向いている働き方になります。
業務委託ドライバーってどうなの?

業務委託は、企業と雇用契約を結ぶのではなく、個人事業主として仕事を請け負う働き方です。雇用保険や社会保険がつかない代わりに、仕事の量やスケジュールを自分でコントロールできる自由度が高い働き方が特徴です。
業務委託ドライバーの特徴
自前の車両を使用することが多く、働き方の裁量が大きいことが特徴です。報酬は完全出来高制(荷物1個あたり、または1件あたりの配達単価)で委託するケースが多いです。
会社に雇われるわけではなく、「この荷物を運んだらいくら」という形で報酬が生じます。
事業主として配送業務を請け負うため、確定申告や経費管理など、自分で対応しなければならないことが増えるという点も覚えておきましょう。
どんな人が向いている?
休日や休憩のタイミングなどを比較的自由に調整できるため時間管理を自分でしたい人や、配達量を増やせば、そのぶん報酬も増える仕組みがあるため、
稼ぎたい分だけ働きたい人にはおすすめです。
また、小さな起業と捉えることも可能で独立志向がある人にもおすすめです。
業務委託の配送ドライバー求人の探し方
配送の業務委託に興味を持った場合、まずは求人情報の収集です。ネット検索だけでなく、SNSや求人サイトでも多数の業務委託案件が掲載されています。
求人を探す方法
みんなのドライバー(https://min-driver.com/)のようなドライバー専門求人サイトやアマゾンフレックスなどが代表格である大手配送会社の公式サイトで個人事業主の募集を積極的に行っている企業もあります。
業務委託の求人は少ないイメージがありますが、ハローワークでも地域に根ざした運送会社が業務委託ドライバーを募集していることもあります。
どんな条件をチェックすべき?
完全出来高 or 基本料+出来高といった報酬形態や1日の配送個数やエリア、自動車なのかリースなのかの車両貸出の有無を確認する必要があります。
また、万が一の保険やサポート、初心者への研修制度も充実しているかも重要となります。
中高年層(30代~60代)の方の場合は、体力面や将来的な働き方を考慮して選ぶことも大切です。
たとえば、近距離のみの配送に特化した案件を探すことで、身体的負担を軽減できます。
業務委託の配送ドライバーが稼げる理由

実際に稼げるの?
努力次第で高収入が期待できるのが業務委託の魅力です。一方で、稼ぎが安定しないというデメリットもあります。
稼げる理由
一部の例では、月収50万円以上を目指す業務委託ドライバーも少なくありません。たとえば都心部で宅配個数をこなす場合や、企業専属の配達契約を結ぶなど、条件が合えば高収入は決して夢ではありません。
業務委託配送ドライバーは出来高制であり、特定エリアで顧客を開拓できれば、配送件数が安定します。
また、単価の高い案件(企業配や大型荷物など)にチャレンジできる可能性もあります。
稼ぐ上での注意点
配車の偏りや荷物が少ないエリアを担当している、もしくは繁忙期と閑散期の差が激しいケースもあります。
また、同じエリアに業務委託ドライバーが集中してしまうと、配達単価が下がり、車両維持費や燃料代の負担といったガソリン価格やメンテナンスコストがかさむ可能性もあります。
「給料が下がった理由を説明してもらえない」といった不満が生じるのも、業務委託先が曖昧な説明しかしていないケースが多いからです。
契約書や口頭説明でしっかりと計算方法を確認し、トラブルを未然に防ぎましょう。
業務委託における配送ドライバーの単価と報酬
単価の相場
1個あたり120円~200円前後が相場です。
ただし、地域や契約先によっては1個80円程度のところもあれば、250円以上という好条件も存在します。
宅配小包は1個あたり80~180円程度、企業配の書類や小物であれば1件あたり100~150円程度、大口顧客(ネット通販サイトなど)は契約により単価が決まリます。
報酬の計算例
- 1個150円 × 1日100個配達 = 15,000円/日
- 週5日稼働なら、15,000円 × 22日 = 330,000円/月
ここからガソリン代・車両維持費・保険料などを差し引く必要があります。
収入安定のコツ
軽貨物以外の仕事(企業のルート配送など)を追加受注するといった配達業務以外にも業務範囲を広げ、繁忙期(年末・大型連休前後)に集中稼働をすることで一時的に稼働量を増やして売上を伸ばすことができます。
業務委託で配送ドライバーが注意すべき契約書
業務委託は雇用契約と違い、トラブルが発生しても労働基準法は直接適用されにくく、契約内容がすべてになります。
1. 報酬の計算方法・支払い日
1件あたりの単価、配達完了報告の締切日支払日をしっかり確認しましょう。
2. 車両や経費の負担
車両リース代や燃料代、駐車場代などは自己負担か、修理・故障時の費用負担はどうなるか確認することが重要です。
3. 損害賠償責任の範囲
配送中の事故や荷物の破損があった場合、誰がどれだけ責任を負うか、高額な損害賠償が発生するリスクはないか確認が必要です。
4. 契約解除条件
途中解約の際の違約金や、一定期間の縛りがないか、配送先や荷主との契約が終了した場合、業務委託契約自体も終了するのかの確認も必要です。
ここを曖昧にしておくと、「長時間労働で休憩がない」「給与に不満でも辞めづらい」といった問題が起きやすいです。
契約書は面倒でも必ず細部まで確認し、納得できない条項は交渉しましょう。
業務委託で配送ドライバーが注意すべき確定申告

なぜ確定申告が必要?
業務委託ドライバーは、個人事業主として収入を得る形になります。雇用されていないため、源泉徴収や年末調整を自身で対応する必要があります。自分で確定申告を行い、所得税や住民税、場合によっては消費税も納付する必要があります。
確定申告の流れ
- 所得の集計:1年間(1月~12月)の売上(配達報酬)をまとめる
- 経費の計上:ガソリン代、車両リース代、駐車場代、整備費など必要経費を記録
- 帳簿作成:簡単な青色申告、または白色申告のどちらを選ぶか(青色申告65万円控除が使えれば税金面で有利)
- 税務署に申告:翌年2月16日~3月15日までに申告書類を提出
経費として計上できるものの例
- 燃料費、高速料金、駐車場代
- 自動車保険料、整備・修理費用
- 車両のリース料(一部按分)
- 通信費・事務用品費(業務に必要なもの)
これらをきちんと記録・領収書を保管することで、課税所得を下げられ、実質の税負担を軽くできます。
業務委託の配送ドライバーが知っておきたいリスク
1. 収入の波
「給与への不満」(43.5%)というドライバーの声にもある通り、業務委託は景気や季節、配車状況に左右されやすいです。
繁忙期(年末・大型連休前など)は稼ぎやすい反面、閑散期は報酬が激減するリスクがあり、配送件数が少ないエリアを担当すると、最低賃金を下回る可能性もあります。
2. 人間関係の問題
企業に雇用されるドライバーよりも人間関係のしがらみが少ない印象はありますが、配車担当者や同業者とのトラブルは起こり得ます。
3. 会社の制度が整備されていない
雇用契約なら労働基準法で守られますが、業務委託の場合は契約内容がすべてとなります。長時間労働や面接時の条件と実際の仕事内容が違うといった、トラブルを防ぐためにも、契約書の内容や実際の作業内容を事前に詳しく確認する必要があります。
FAQ

Q1. 業務委託の配送ドライバーって本当に稼げるの?
A. 企業によって月収70万円以上を稼ぐ方もいます。
Q2. 車両は自分で用意する必要がありますか?
A. 多くの場合、自前の車両(軽バンなど)を用意しますが、企業がリースやレンタルを斡旋するケースもあります。その際はリース代や保険料をどう負担するかがポイントです。
Q3. 業務委託とアルバイトの違いは?
A. 業務委託は雇用関係がないため、社会保険や労働基準法の適用を受けません。一方、アルバイトは雇用契約を結ぶので、最低賃金や残業代などは法律で守られます。自由度と自己責任の度合いが大きく違うのが特徴です。
Q4. 60代でも挑戦できますか?
A. 体力や健康に問題がなければ可能です。近距離配送や日中メインの仕事を選ぶなど、負担を考慮した案件探しが大切です。
Q5. 確定申告はどうすればいいの?
A. 個人事業主としての収入になるため、自分で帳簿を作り、税務署に申告します。青色申告を選ぶことで、控除額が大きくなるメリットがあるので、手間と時間が許せば挑戦してみましょう。
まとめ

業務委託の配送ドライバーのお仕事は、雇用契約のような制限が少なく、配達量に応じて収入が増える可能性がある自由度の高い働き方です。
特に、給与や歩合制の不安定さに悩むドライバーが多い中でも、業務委託で成功している人は自己管理能力が高く、契約内容をしっかり理解しているケースが多くあります。
働く時間や収入を自分でコントロールしたい、あるいは独立してチャレンジしたい方はぜひみんなのドライバーで業務委託のお仕事を探してください。