ルート配送ドライバーの仕事内容
はじめに、ルート配送の大まかな仕事内容を確認してみましょう。
配送ルートがあらかじめ決まっている点で「運転ルートの固定化」や「見込み残業」など、他のドライバー職とは少し違った特徴を持ちます。
仕事内容としては企業や個人宅への定期的な配送が中心となり、決められたエリアや取引先を巡回することが多いです。使用車両は軽バンや1～2tトラックが主流で大型車よりも車両操作が比較的容易です。
朝に出社して荷物を積み込み、定められたコースで配達し、夕方～夜に帰庫するケースが多く、正社員、契約社員、委託ドライバーなど多岐にわたります。
ルート配送は「地場配送」とも呼ばれ、長距離トラックドライバーと比べて長時間拘束が少ないというイメージを持つ方もいます。
ルート配送ドライバーを「やめとけ」と言われる理由
その理由は人それぞれですが、共通して挙げられるのが給与面の不満と人間関係の難しさ、そして会社の制度が合わないという問題点です。
給与が不安定・不満が多い
ドライバー職全般に言えることですが、「給与に不満があった」ドライバーが43.5％という調査結果があります（当サイト独自調べ）。ルート配送は固定ルートである分、インセンティブ（出来高）の差が少ない一方で、残業代がつかない・配車量に左右されるという悩みもあります。
例）「残業代が出ないのに、朝早く荷物を取りに行く時間は拘束扱いにならない」
例）「配車の偏りで荷物が少ない月は給与が落ちるのに、会社から説明が一切ない」
職場の人間関係
「人間関係に不満があった」と回答したドライバーは34.5％。ルート配送は少人数の拠点で働くことも多く、人間関係が固定化されやすい一面があります。
例）「職場の上司からパワハラを受け、辞めるしかなかった」
例）「家族との予定を組みにくい職場で、有給すら取りづらい雰囲気」
会社の制度や体制
「会社の制度や体制に不満があった」という声も31.1％ほど。特に、面接時と実際の仕事内容・条件が違うのは大きなトラブルになりがちです。
例）「トラックの台数が足りず、常にオーバーワーク状態。休憩する暇がない」
例）「試用期間が終わったら昇給すると聞いていたのに、全く昇給がない」
上記のような不満が重なると、「ルート配送はやめといた方がいい」と思うドライバーが増えてしまいます。未経験であれば、特に会社選びは慎重に進めるのが賢明です。
ルート配送ドライバーのメリットとデメリット
ルート配送の実情を整理しましょう。
メリット
配送先が固定し、毎回同じルートや取引先を回るため、道に迷うストレスや新規対応の負担が少なく、家に帰れる日数が多く、体力的な負担を軽減できます。
また、 大手スーパーやコンビニ等、定期契約がある場合は仕事が途切れにくい特徴があります。
デメリット
距離や配送量で稼ぐ長距離ドライバーに比べると、手取りが低くなるケースもあり、繁忙期には残業が増え、年末年始や季節商戦など、荷物が増えれば一気に忙しくなります。
ルート配送が「きつい」と感じるかどうかは、個人の体力や価値観、職場環境に大きく左右されます。「近距離だから楽」と油断していたら、意外に荷役作業が多くてしんどいという声も聞かれます。
ルート配送ドライバーをやめといた方がいい人の特徴
ルート配送をやめとけと言われる根本には、その仕事が合わない人が一定数いることが考えられます。具体的にはどのような人が、ルート配送で苦労するのでしょうか。
配送件数が増えてもインセンティブが少なく、残業代も曖昧な企業だと不満が募りやすいです。
また、 同じルートを回るのが退屈に感じる人は向かないでしょう。また、スーパーマーケットや食品関連の配送は年中無休の拠点が多く、シフトによる出勤が避けられないでしょう。
反対に、「黙々と同じ作業に集中したい人」や「ある程度の体力には自信がある人」には向いている職種とも言えます。
ルート配送ドライバーのおすすめ企業とやめとくべき企業事例
ここでは、具体的な企業事例を交えて成功パターンと失敗パターンを見てみましょう。
成功事例：大手食品メーカーの物流子会社A社
- 採用対象: 30代～40代の未経験者も積極採用
- 制度面: 週休2日制、有給取得率が高い、明確な評価基準（残業代100％支給）
- 実際の声: 「残業時間や給与の透明性が高く、夜中に走ることが少ないので家族との時間が確保しやすい」
A社の場合、大手食品メーカーとの直接取引が安定しており、給与の変動が少ないという点が魅力でした。休日や手当が明確で、未経験の30代男性でも年収400万円以上を目指せるといいます。
失敗事例：IT企業グループの物流部門B社
- 採用対象: 幅広い年齢層だが、面接時にややオーバートーク気味
- 制度面: インセンティブ制度ありと説明されたが、実際には配達先の増減が頻繁で給与が不安定
- 実際の声: 「福利厚生がほぼなく、働いた時間の割に稼げない。ルートが急に変わることも多い」
B社では、「面接時と実際の労働条件が異なる」というトラブルが発生しました。特に「休憩がとれるはずが、繁忙期はまともに取れない」という声も出ていました。
このように、同じルート配送でも企業の制度やマネジメント姿勢によって大きく差が出ます。応募前の情報収集や、面接時の質問は非常に重要です。
ルート配送ドライバーを「やめとけ」と言われないための転職
自分の希望条件やライフスタイルと職場のマッチ度合いで決まります。ここでは、転職前に押さえておきたい注意点をまとめました。
給与体系と残業代
固定給なのか、歩合制なのか、残業代は本当に支給されるのかを確認しましょう。
会社規模と安定性
大手企業や大手企業の子会社は、福利厚生や賞与が手厚いケースが多く、40代・50代になると昇給や手当の充実度も大きなポイントになります。
職場の雰囲気と人間関係
小さな拠点だと少人数で業務を回しているため、面接時に可能であれば拠点見学をお願いしてみましょう。
ルート配送ドライバーのおすすめ求人の探し方
では、実際にルート配送の求人を探すとき、どうすれば「やめとけ」と言われない職場に出会えるのでしょうか。ここではおすすめの方法を紹介します。
大手求人サイトや転職エージェント
ドライバー専門のみんなのドライバーサイトを活用しましょう。また、口コミサイトも合わせてチェックし、給与や雰囲気の実態を把握しましょう。
ハローワークでの相談
地域密着の求人を探すならハローワークも便利です。ハローワークは公共機関なので強引な勧誘がなく、条件面を冷静に比較しやすいです。
FAQ
ここでは、読者からよく寄せられる質問をまとめました。
Q1. ルート配送は本当にきついのでしょうか？
A. 個人差はありますが、近距離でも荷下ろしが多かったり、休憩が取りにくい職場だと「きつい」と感じる人も多いです。一方で、ルートが固定で効率良く配達できるため、慣れれば精神的には楽という声もあります。
Q2. 未経験の中高年でも採用されますか？
A. 30代～60代の採用実績がある企業も増えています。シニア層歓迎を掲げる会社も多く、年齢よりも運転免許（MT取得者はさらに有利）やコミュニケーション力が重視される傾向があります。
Q3. どんな荷物を扱うことが多いですか？
A. 食品・飲料・医薬品・ネット通販の小包などが代表的。冷凍車での食品配送や、固定ルートのスーパー巡回など、企業や契約先によって多種多様です。
Q4. 給料が下がることはよくありますか？
A. 勤め先によります。繁忙期と閑散期の差が大きい企業や、歩合制が不透明な企業だと収入が不安定な場合があるため、面接時に詳しく質問しましょう。
Q5. 休日数はどのくらいですか？
A. 「週休2日制」をうたっていても、実質シフト制で休日が平日中心になる企業も多いです。土日休みを希望する方は、求人詳細や面接時の説明をしっかり確認することをおすすめします。
まとめ
ルート配送はネガティブな印象を抱くかどうかは、結局のところ働く環境と自分との相性が大きく影響します。
確かに「給与が低い」「人間関係が悪い」などの問題を抱える企業も存在しますが、逆に安定した大手企業の子会社や、労働環境を整えている中小企業では長く続けられるケースもあります。
「ルート配送で失敗したくない」「やめときたいけど興味もある」という方は、まずは複数の求人情報を比較し、面接時に具体的な質問をするのが賢明です。
自分に合った職場を慎重に見極めれば、「やめとけ」と言われる中でも、満足度の高い働き方を実現できるでしょう。
