はじめに

長距離ドライバーは、一般の宅配・配達ドライバーとは違い、遠方まで大型トラックなどで荷物を運ぶ重要な仕事です。
輸送業界に欠かせない仕事であり、年収が高く、稼げるといったイメージから、多くの人が転職先の選択肢として注目しています。
給与への不満や、人間関係のトラブルが理由で転職を考える30代~60代の方はもちろん、これから長距離ドライバーを目指す未経験者にとっても役立つ情報をお伝えします。
長距離ドライバーの仕事内容
長距離ドライバーの仕事内容
長距離ドライバーとは、数百キロ以上の距離を超えて荷物を運搬するドライバーのことです。
たとえば東京から大阪、あるいは福岡から関東地方へ荷物を運ぶといったように、地方都市間を結ぶ高速道路を長時間走行するのが大きな特徴です。
積荷の種類は多岐にわたり、食品、雑貨、建材、工業製品など、さまざまな貨物を扱います。
具体的なスケジュール例
- 前日夜~早朝:荷主の倉庫や工場へ行き、積荷を準備。
- 出発~高速走行:休憩を挟みながら目的地へ移動。途中でサービスエリアやパーキングで仮眠を取ることも。
- 到着~荷下ろし:現地で荷下ろし・書類確認。場合によっては積み替えや二次配送の指示を受ける。
- 帰路につく:場合によっては連泊することも。拘束時間が長くなるケースが多い。
長距離ドライバーなのメリットとデメリット
長距離ドライバーのメリットは歩合制が多く、しっかりと稼げることです。
また一人の時間が多く、人間関係のストレスも少ないことが挙げられます。
一方、デメリットは家族との時間が取りづらく、体力・精神力が求められることです。
長距離ドライバーの平均年収と相場

年収相場はどのくらい?
長距離トラックドライバーの平均年収はおおむね350万円~500万円前後と言われています。
企業規模や運転するトラックの種類、走行距離、歩合制の仕組みによって収入には大きな幅があるのも事実です。
下限ラインは年収300万円台であり、平均的な水準は年収400万~450万円、高収入層となると年収500万~1000万円以上となります。
同じ長距離ドライバーでも、未経験者と経験豊富なベテランでは収入格差があるのは当然ですが、配車の数や荷物の単価など、コントロールが難しい要素でも収入が変動します。
歩合制の特徴
長距離ドライバーの給与体系は、基本給+歩合給が一般的です。
走行距離や積荷の量に応じて歩合が上乗せされるため、頑張った分だけ稼げる一方、配車が少ない月は給与が落ち込むリスクがあります。
また、みなし残業制度の有無や、深夜手当の適用範囲といった残業代の算定方法を理解は重要となり、どういう計算で金額が決まるも理解する必要があります。
固定給がしっかりしている企業ほど収入の安定度が高くなります。
給与に対する不満が多い理由
実は、ドライバー全体の43.5%が「給与に不満を抱えている」というデータがあります。長距離ドライバーに限定しても、
- 残業代が出ない
- 配車の偏りで収入が不安定
- 給料が下がった理由が分からない
といった声は根強いです。したがって、転職先選びの際は給与体系が明確かどうかを見極めることが非常に大切になります。
→ドライバーの職種別年収ランキングをご紹介!500万円~1000万円を目指せる
大手企業の長距離ドライバーの年収例

西濃運輸の長距離ドライバーの年収
求人情報や口コミサイトでは、平均で400万~500万円程度となります。
地域や運行ルートによって差がありますが、大手企業だけあって福利厚生が充実している点が魅力といえます。賞与や手当の制度がしっかりしているため、安定収入を得やすいとの意見も見られます。
佐川急便の長距離ドライバーの年収
歩合制の色が強いことで知られています。慣れてくれば年収500万円以上も目指せる半面、配車状況やルートによる収入格差が大きいという口コミもあります。実力や努力次第で稼げる仕組みを評価するドライバーがいる一方、安定性を求める人には合わないケースもあるようです。
福山通運の長距離ドライバーの年収
400万円~450万円程度がボリュームゾーンと言えるでしょう。比較的固定給重視のシステムが採用されていることが多く、景気による変動や配車の波があっても一定の収入を確保しやすいのがメリットです。とはいえ、地域によっては夜勤や宿泊運行が多く、体力的な負荷が高くなるという声もあり、働き方とのバランスを見極める必要があります。
大手求人は年収が高い
大手企業は社会保険や福利厚生、各種手当が整備されていることが多く、給与の下支えをしてくれる傾向があります。歩合制が強い会社でも、実績を出せば高収入を狙いやすい点が魅力です。ただし、配車・運行形態による個人差や、支店ごとの方針の違いも大きいので、入社前にしっかりと職場環境や給与体系を確認しましょう。
→30代、40代、50代の未経験者必見!ドライバーへの転職で収入を安定させる方法
長距離ドライバーとして年収を上げるコツ

1. 大型免許や特殊免許を取得
長距離ドライバーとして年収を上げるには、まず大型免許はもちろん、けん引免許(トレーラー)や危険物取扱者などの追加資格を取るのが有効です。これらの免許を持つと、運行できる車両の種類が増え、高単価の荷物を扱える機会が増えるため、歩合給や手当が厚くなる傾向があります。
→大型トラック免許取得で叶える高収入への近道!取得難易度、費用もご紹介
2. 大手or中堅の安定企業を選ぶ
前述の通り、大手企業や安定した中堅企業は基本給が高めに設定されていたり、残業代や歩合給の支給基準が明確だったりする場合が多いです。中高年でも正社員採用を積極的に行っている会社も増えているので、30代~60代でも挑戦可能です。
3. ルートや配車を工夫
忙しい繁忙期や夜間配送を引き受けりことで体力的には厳しくなるものの、その分手当や割増賃金がつき、収入がアップしやすいです。
また、地方⇔都市部の便を活用することで需要が多い路線や荷物単価が高い便を中心に配車を組んでもらえると、歩合給が稼ぎやすくなります。
4. 営業スキルを磨く
配達先や荷主とのやり取りで信頼関係を築くと、担当便の安定確保につながったり、追加の荷物を回してもらえたりする場合があります。人間関係の不満やパワハラが多い業界とも言われますが、逆にコミュニケーションを上手に取れる人は評価され、年収にもプラスに働く可能性があるのです。
高年収の長距離ドイラバー求人に転職する際の注意点
1. 給与体系をしっかり確認
前述のとおり、歩合制や残業代のみなし制度など、ドライバーの給与体系は企業ごとに大きく異なります。
下記をしっかり確認しましょう。
- 基本給+手当の内訳
- 歩合給の計算方法
- 残業・深夜・休日出勤の手当支給基準
- 昇給や賞与の有無
2. 会社の制度や休みの取得
「会社の制度や体制に不満があった」(31.1%)というドライバーの声からも分かるように、長距離ドライバーの環境は休憩時間や休日取得に課題を抱えがちです。面接時に「年間休日」「休暇の取り方」などを具体的に質問し、過度な長時間労働が常態化していないかを見極めましょう。
3. 人間関係と職場の雰囲気
「人間関係に不満があった」(34.5%)と回答するドライバーは少なくありません。長距離の場合、一人での行動が多い反面、配車担当や上司とのやり取りでストレスを感じる場面も出てきます。会社の口コミサイトや転職エージェントの情報などを活用し、パワハラが横行していないか、家族との予定を相談しやすいかなどをリサーチすることが大事です。
→【2025年版】ドライバー求人サイトを活用して転職を成功させる
FAQ
Q1. 長距離ドライバーの年収は本当に高いの?
A. 一般的には走行距離や歩合給によって高収入を得やすい反面、配車状況が悪いと安定しない月もあります。平均で400万円台が多いですが、500万円以上稼ぐ方もいます。
Q2. 未経験でも長距離に挑戦できる?
A. 可能です。未経験OKの求人も多く、企業によっては大型免許取得支援制度や研修制度を用意しているところがあります。
Q4. どうすれば年収を上げやすい?
A. 大型や特殊免許の取得、繁忙期や夜間の運行を積極的に受ける、安定企業に転職するなどが有効です。特に大手企業は賞与や手当などが充実しており、年収アップにつながりやすいと言われています。
Q5. 60代でも長距離ドライバーは務まる?
A. 体力や健康面に問題がなければ可能です。ただし、長距離の夜勤や連泊が続くと負担が大きいため、近距離や日勤中心のルートがある企業を選ぶほうが無理なく続けられます。
まとめ

長距離ドライバーは、走行距離や荷物の単価で稼げる可能性が高く、未経験者からベテランまで幅広く需要があります。
一方で、給与面の不透明さや過酷な労働環境に悩む声も多いのが現状です。
もし給与への不満が最優先の悩みであるなら、賞与・手当が充実している企業や、明確な評価制度を導入している会社を探すと良いでしょう。
大手だけでなく、中堅企業や地域密着の優良運送会社にも高待遇の求人が隠れている場合があります。
最終的には、自分のライフスタイルや家族との時間、将来設計を考慮して、ベストな選択をすることが重要です。