はじめに

実際に配送ドライバー業界に飛び込んだ人の中には、「配車の偏りで思うように稼げない」「面接時の条件と違って休憩が取れない」などの不満から再び転職を検討する例も少なくないのです。
本記事では、配送ドライバーという仕事の実態や給与相場、正社員・業務委託・アルバイト求人の違いなどを踏まえ、30~60代の中高年や未経験者でも転職を成功させるためのポイントを解説します。
どんな求人があるのか、正社員として働くならメリットとデメリットは何か、未経験の人がスタートするならどのようなキャリアが考えられるのかをご紹介致します。
配送ドライバーとは

配送ドライバーの概要
配送ドライバー のお仕事は、メーカーや倉庫などからの荷物を小売店や個人宅に届ける仕事を中心に担う運転手のことです。
トラックのサイズは軽貨物から2t、4t、大型までさまざまです。運ぶものも食品や日用雑貨、医薬品、家具・家電など多岐にわたります。
最近ではネット通販の増加に伴い、宅配需要が急増したことから、個人宅へ商品を配送する“ラストワンマイル”に特化したドライバー求人も数多く見られます。
配送ドライバーの仕事内容
配送ドライバーは、企業間輸送がメインのルート配送や、コンビニやドラッグストアへの定期便などを担当する場合もあり、働き方は多彩です。企業向けの法人配送は荷量が安定している一方、繁忙期と閑散期の差が少ないために、仕事のリズムが一定というメリットがあります。
個人宅への宅配では配達先の数が多く、歩合制の場合は“頑張った分だけ稼げる”が、同時に“配車の偏りがあると稼ぎにくい”という面も伴います。
配送ドライバーの求人
求人の形態も豊富で、正社員募集をする企業もあれば、業務委託として軽貨物で個人事業主となる働き方を提示する企業、またはアルバイト・パートで週数日から働けるところまで存在します。一言で配送ドライバー求人といっても、扱う荷物、距離、給与形態、雇用形態が多種多様なので、自分の希望やライフスタイルに合った求人を見極めることが非常に重要になります。
→配送業務委託ドライバーは稼げる!未経験から稼げる求人もご紹介
配送ドライバーはきつい?やめとけと言われる理由

配送ドライバーはきつい?
配送ドライバーの仕事がきついという声を耳にするのは珍しくありません。
配送ドライバーは体力仕事や時間的な拘束が大きくなるケースが多く、荷物の積み込みや降ろしを手作業でする場合、重い段ボールを何十個も運ぶことが日常となり、腰や膝への負担が大きくなります。
企業によってはフォークリフトやパレットでの運搬が主流だったり、補助スタッフがついたりすることで、身体的負担を軽減しているところもあるものの、まだまだ人力に頼る現場も残っています。
配送ドライバーのがやめとけと言われる理由
一方、「きつい」と感じる大きな原因が「長時間労働」だという意見も多くあります。繁忙期や宅配の多いシーズンには、荷量が増えて1日の拘束時間が長くなるため、疲労が蓄積しやすいです。
さらに「家族との時間を取るのが難しい」「休憩が取りづらい」といった声も出ており、面接時の話と実際の働き方にギャップが生じる例が後を絶ちません。
運送企業の側でも過剰な長時間労働を是正する動きが見られたり、早期帰宅や連休を取りやすくする制度を整えたりするなど、労働環境の改善に取り組んでいる例が増えています。
応募前のリサーチや口コミ、面接での質問などを通じて、自分の体力や生活スタイルと合うかを慎重に見極めることが重要でしょう。
配送ドライバーの給料や年収

配送ドライバーの給料
給与面は最も気になるところです。全体の43.5%が「給与への不満」を抱えているという統計もあるほど、満足できる収入が得られにくい側面があり、特に歩合制の宅配求人では“稼げる月”と“稼げない月”の落差が激しいといわれます。
大手の物流企業や法人向け配送を扱う会社、ルート配送のように安定した荷量が見込める業態では、月収25万~35万円程度を安定的に得ている人も多くいます。
夜勤や長距離、繁忙期対応などをこなせば、さらに給与が上乗せされて月収40万円以上に達する例もあるようです。
配送ドライバーの給料に関する注意点
一方、軽貨物の業務委託やアルバイトは、企業との契約内容次第では最低保障がなかったり、稼働時間に応じて収入が変動したりするため、収入が安定しないリスクは高くなりがちです。
正社員の場合、固定給や最低保障給が組み合わさった給与体系を採用している企業が多く、社会保険や賞与、昇給制度なども整備されている場合が多いため、「働いた分だけしっかり収入が欲しい」という人より「家族がいるので安定が最優先」という人に適していると言えるかもしれません。
→【2025年版】ドライバー求人サイトを活用して転職を成功させる
配送ドライバーの正社員求人と業務委託の違い

配送ドライバーの雇用形態
配送ドライバーには大きく分けて、正社員、業務委託、アルバイトという雇用形態があります。
正社員求人は基本給が安定し、社会保険や福利厚生が充実している一方で、夜勤や長距離への異動命令など会社の指示に柔軟に従わなければならないケースもあります。
アルバイト求人は自由度が高く、短時間だけ働くことも可能ですが、収入やキャリアの安定度は低めです。
業務委託(個人事業主)として働く場合
業務委託(個人事業主)として働く場合、車両を自前で用意し、燃料代や保険も自己負担になるものの、自由な働き方や高い歩合を得られるチャンスがあります。
しかし、配車次第で収入が不安定になりやすく、保険や年金なども自分で管理する必要があるため、初心者にはハードルが高い面があります。
正社員としての安定を取るか、業務委託での高収入リスクを取りにいくかは、ライフステージや価値観によって変わってくるでしょう。
20代・30代なら「稼ぎたい」と思う人も多いですが、家族がいる人や体力に不安が出てきた40代・50代、60代の方の場合、安定性や身体的負担の少ない働き方が求められます。
そういう意味では、正社員として事業規模の大きな企業でルート配送を担当したり、中距離・近距離メインの仕事を選ぶ方法もあります。
配送ドライバーのアルバイト求人

アルバイト求人で配送ドライバーを探すケースも増えています。
ダブルワークや土日限定で働く人、シニア層でもう少し小遣いを稼ぎたい人などにとって、アルバイトは柔軟な選択肢となります。
ただし、アルバイトだと社会保険や有給休暇、昇給などが充実していない可能性が高く、どこまで収入を増やせるかは不透明になりがちです。
一方で、「軽貨物アルバイト」などは宅配や企業へのスポット配送の需要が高く、就業時間を自分で選べる求人が散見されるため、ある程度自由に動きたい人にとっては向いています。給与が時給制なのか日給制なのか、あるいは配達件数による歩合なのかなど、求人情報をしっかり読み込むことが大切です。
配送ドライバー転職で失敗しないための注意点

転職を繰り返す人も少なくないこの業界。後悔しないためには、以下の点に気を配ると良いでしょう。
まず、面接で「配車の仕組み」や「給与体系(固定給か歩合制か、最低保障の有無)」を具体的に確認しましょう。
次に、人間関係や会社の制度は社風に大きく左右されるので、社員の口コミやSNSの評判、面接時の雰囲気をしっかり見極めましょう。
休憩の取り方やシフト体制を重視するなら、大手企業や法人契約がメインの会社を探すと、残業時間や休日が比較的管理されている場合が多いです。
→ドライバーの職種別年収ランキングをご紹介!500万円~1000万円を目指せる
まとめ

業務委託やアルバイトには自由度や高歩合のチャンスがある反面、社会保険や休暇制度が手薄で、収入に波があるというデメリットがあります。自分の年代やライフステージ、求める収入・休日数をよく考えながら、求人票や面接時の情報を照らし合わせることが重要でしょう。
また、仕事自体が体力的にきついと感じる場面もありますが、企業によってはフォークリフトを活用して荷物の積み下ろしを軽減していたり、配達ルートが安定しているために過度な長時間労働が発生しない例もあります。
最終的には、自分が「どれだけ稼ぎたいのか」「身体的にどこまでやれるのか」「家族やプライベートとのバランスをどう取りたいのか」をはっきりさせたうえで、最適な求人を選ぶのが成功のカギになります。
あなたが理想とするライフスタイルと収入の両立が、配送ドライバーという働き方で実現できますように。