はじめに

トラックドライバーの仕事に未経験から挑戦、もしくは既にトラックドライバーとして働いている人は手積み手降ろしの業務負担を感じているのではないでしょうか。
膝や腰を痛めるリスク、長時間におよぶ積み下ろし作業、そして繁忙期にはさらに過酷になります。
実際「手積み手降ろしがあるから荷物が多くてきつい」と感じているドライバーは少なくなく、給料はそこそこでも、腰や体力面で続けられるか心配だという声もあります。
近年の物流業界ではフォークリフトの運用やパレット積みが主流で、手積み手降ろしがない求人も増えており、リフト免許の取得をサポートしてドライバーの肉体的負担を減らす方向にシフトしています。
この記事では、手積み手降ろし無しのトラックドライバーの働き方を中心に、具体的な求人選びや給料の実態、またこの形態を選ぶメリット・デメリットを解説していきます。
手積み手降ろし無しの求人を探すことで、身体的負担を軽減し、かつ安定した収入を得られる可能性があります。
トラックドライバーが手積み手降ろしをきついと感じる理由

手積み手降ろしの業務内容
トラックドライバーの中でも、とりわけ体力的に過酷だとされるのが手積み手降ろし作業です。
腰に負担がかかる、長時間作業が続く、休憩をとりにくいという声は少なくありません。特に食品や雑貨など、小さな段ボール箱を大量に扱う配送先だと、一日のうちに数百個の荷物を積んだり降ろしたりするケースもあるため、長年続けていると腰痛や関節痛に悩まされるドライバーが後を絶ちません。
さらに、荷主や配達先によって作業スタイルが変わることもあり、フォークリフトが使える倉庫ならまだしも、人手が足りなかったりスペースの都合で結局手積みをしなければならないという状況に陥ることもしばしばあります。休憩が取れず長時間作業になることが重なり、実質的な労働環境がかなり過酷になるのは想像に難くないでしょう。
手積み手降ろし業務が負担に感じ転職する
こうした「きつい状況」を理由に転職を考えるドライバーも多く、結果としてドライバー全体の43.5%が給与に、34.5%が人間関係に、31.1%が会社の制度に不満を持っているという統計データがあリマス。つまり、もし長く安定して働きたい場合、可能であれば手積み手降ろし無しの職場や、負担が極力少ない形態を選びたいというのが本音になるでしょう。
トラックドライバーが希望する手積み手降ろし無しの働き方

手積み手降ろし無しの求人とは?
では、手積み手降ろし無しのトラックドライバー求人とは具体的にどのような職場や業態なのでしょうか。
大きく分けて、企業の物流拠点で「パレット積み」が主流の場合や、フォークリフトでの積み下ろしが日常的に行われている場合、あるいは自動化設備が整った倉庫との連携がスムーズな企業に多いと言えます。たとえば、自動車部品メーカーや家電製品メーカーの拠点では、資材や商品をパレットごとにまとめて輸送するのが普通であり、ドライバーが段ボールを一つ一つ手作業で積み下ろしするということが少なくなります。
また、食品系や医薬品系の企業でも、衛生管理や効率化のためにフォークリフトや専用カートを使った作業を主としているところがあります。こうした現場では、ドライバーは運転に集中し、到着先でも現場の担当者がリフトで荷物を下ろしてくれるため、体力的な負担が大きく軽減されるメリットがあります。結果として、腰や膝を痛めにくく、長期的に働きやすいのです。
手積み手降ろし無しのおすすめトラックドライバー求人
企業によっては、夜間やルート配送でスポット的に「待ち時間が多いけれど積み下ろしはほぼ無し」という案件も存在します。
たとえば大手スーパーの配送センター間を結ぶ長距離路線では、パレット積みが前提でドライバーは基本的に運転と確認業務のみというスタイルが定着している例もあります。
そうした職場だと労働時間や残業代の計算を含め、システム化が進んでいるため、給与がしっかり出る形をとっている会社は安定しやすいと言えます。
→ドライバーの職種別年収ランキングをご紹介!500万円~1000万円を目指せる
給料への影響は?手積み手降ろし有りと無しの比較

手積み手降ろし有り求人の収入や給料
手積み手降ろし無しの求人は魅力的ですが、どれほど稼げるでしょうか。
一般的には、手積み手降ろし有りの仕事は“割り増し手当”や“歩合給”が設定されているケースが多く、作業が大変な分だけ給料に反映されやすいといわれます。
「きついけれど、そのぶん稼げるから続ける」と考えるドライバーが一定数存在するのです。
手積み手降ろしが無しの求人も稼げる
近年はドライバーの雇用確保のために労働環境改善が叫ばれ、あえて手積み手降ろし無しの現場であっても基本給や各種手当を充実させている企業が少なくありません。
大手物流企業や大手メーカーの運送子会社などでは、段ボールを運ぶ必要がない分、運転スキルや事故防止のノウハウを重視する形で給与設計を行い、月収30万~40万円程度を狙える例もあります。
結論としては、手積み手降ろしがないからといって給料が低いわけでは決してありません。
むしろ、体力負担を減らしながらまとまった収入を得られる職場を選べるのは、大きなメリットです。もちろん、企業によって差はあり、歩合制が強いところでは収入の上下が激しくなる面もあるため、求人票や面接で具体的な賃金体系を把握するのが大切でしょう。
→トラック運転手の仕事はきつい?リアルな実態と選び方のポイントを解説
手積み手降ろし無しのおすすめ求人の選び方と企業事例

手積み手降ろし無しの求人の見つけ方
手積み手降ろし無しの求人を見つけるためには、いくつかのポイントが挙げられます。
一つは、大手企業の工場や倉庫間を結ぶ定期便を扱う運送会社です。たとえば自動車部品メーカーが契約している運送会社だと、ほとんどがパレットやリフトでの作業で手積みが少ない可能性が高いです。具体的な企業例として、大手メーカー専属の物流子会社や、専門的に工場間輸送を行っている業者などが当てはまります。
もう一つは、大型スーパーやコンビニチェーンのセンター間配送をメインにしている会社も狙い目です。首都圏で言うと、大型は日本通運や西濃運輸など大手物流企業が各種センター配送を請け負っているケースが多く、そこでは「リフトで積み込んでリフトで降ろす」が基本となっている場合があります。もちろん、すべてのセンターが手積みゼロではありませんが、比較的効率重視のため手作業が少なく設計されている拠点を持っていることが多いので、求人情報や面接で手積み手降ろし無しの案件が中心なのかを確認すると良いでしょう。
たとえば「ケーエー引越センター」などの引越し企業でも、企業オフィスの移転や大型イベントの什器搬入に特化した部署ではパネルや什器がパレット梱包されている場合が多く、手積みが最小限で済むこともあるようです。こうした例を挙げると、「同じ企業でも部署や案件によって手積み有り無しが変わる」ということがよくあるので、事前に「どの部署に配属されるのか」「メインの顧客はどういうところか」をヒアリングしておく必要があります。
→【2025年版】ドライバー求人サイトを活用して転職を成功させる
転職で失敗しないために

結局のところ、手積み手降ろし無しのトラックドライバー求人を探すには、どんな企業がどんな荷物を扱い、どんな積載方法を取っているか調べましょう。
面接時の質問としては、具体的に「積み込み・積み下ろしはパレットとリフト中心ですか?」「ドライバーが手作業で行う割合はどのくらいですか?」など、直接的に聞いてしまうほうが確実です。併せて、残業代の支給方法や配車体制、休日の取りやすさなどを確認しないと、どんなに手作業が少なくても、給与や休憩時間に不満が出るという事態になりかねません。
また、求人票だけでなく、実際の社員の口コミやSNSでの評判を探ることも大切です。
もし手積み手降ろしをゼロに近づけたい場合、企業への配達や拠点間輸送をメインとする路線便を扱う大手物流企業を検討し、食品や医薬品など衛生管理上リフト使用がほぼ必須になっている分野で働くのも一つの手です。
FAQ

Q1. 手積み手降ろし無しで高収入を得ることは可能ですか?
もちろん可能です。大手企業や倉庫間輸送などではフォークリフトが主流で、作業効率が高いためドライバーの体力負担が少ないのに、案件自体は安定しているところも多く、月収30万以上を狙える例も見られます。
Q2. 具体的にどんな企業が手積み無しの求人を出していますか?
自動車部品メーカーの運送子会社や、大型スーパーのセンター配送、大手物流企業(日本通運、ヤマト運輸、佐川急便など)の法人ルート便などでリフト運用が中心になっている案件があると言われています。
Q3. 手積み手降ろし無しの仕事はラクすぎて稼げないのでは?
確かに歩合制で手作業が多いところは高収入の傾向がありますが、フォークリフトやパレットで積む案件でも、長距離や深夜勤務があれば手当が上乗せされ稼げるパターンはあります。安定性と身体的負担軽減を両立するには、固定給プラス手当がある企業を探すのも方法です。
Q4. 本当に手積みがゼロか?
ゼロに等しい案件もあれば、荷札貼りや最小限の手作業が発生する程度という案件もあります。あくまで「ほとんどリフトとパレット作業」と考えて、完全に人手が介在しないことはまれかもしれません。ただ、手作業量が圧倒的に少ないだけでも大きなメリットです。
Q5. 未経験でも大丈夫ですか?
現場によりけりですが、リフトの運転免許(フォークリフト免許)が必要になる場合があり、企業によっては免許取得をサポートしてくれることもあります。運転とリフト操作をしっかり学ぶ意欲があれば、未経験からでも十分に活躍しやすいでしょう。
まとめ

トラックドライバーの仕事は「きつい」と言われる場面が多く、特に手積み手降ろしが重労働になりやすいのが一因です。
最近では、手積み手降ろし無しのトラック運転手の求人が増え、フォークリフトやパレットなどの活用によって、荷物の積み下ろしを大幅に効率化している企業も少なくありません。
その結果、身体的負担が減るだけでなく、長期的に腰や膝などの故障リスクを軽減できるメリットがあります。
もちろん、そうした求人は楽かというとそうでもなく、夜勤や長距離対応が多かったり、ルートや車両が限られるなどの制約が出る可能性はあります。
「本当に手積みがないのか」と「給与や休日などの条件が合うのか」を丁寧に確認し、ドライバーとして無理なく働ける求人、職場を見つけましょう。